実施日時:2月23日(土)10時から12時

集合場所:新港の森 管理事務所

内容:事務所2Fで内容説明、フィールド観察、樹液採取・実演、事務所へ戻り暖をとり、樹液の紅茶を飲みながらおさらいをします。

申し込み不要。一人の参加でもやります。昨年公園の樹木でも樹液を採取出来ました。こちらは山歩きはしません。山へいくのが嫌な人向けです。当日は詳しい資料を配ります。もちろん樹液の味見も出来ます。アクセス等詳細は新港の森HP http://www.toyamap.or.jp/shinkou/ を見てください。

メープルシロップはなぜ採れるか

カナダの国旗で有名なサトウカエデはその名のとおり甘い樹液が採取できます。日本でも寒冷地でイタヤカエデやシラカンバからシロップが採取されています。樹液は木部の導管を上昇してくる導管液で、この甘い導管液は早春の一時期にしか採取できません。寒冷地の樹木は春から秋にかけて光合成によって、幹や根の柔細胞にでんぷんを蓄積させ秋には最高の量になります。冬になると、柔細胞に貯蔵されたでんぷんが糖に変わり、細胞液胞の水分量も減らして糖濃度を極度に上げて細胞内凍結を防ぎます。 初春、樹木は活動を開始しようとしますが、そのためにはまず細胞内の水分量を高めて細胞内の糖濃度を下げなければなりません。そのとき樹木の根は冬芽がまだ硬いうちから吸水を開始しますが、このときの水分吸収は葉が展開していない状態なので蒸散力による水分上昇ではなく、水は下から押し上げるように根圧で上昇していきます。根圧は浸透圧と考えられています。細根細胞の細胞膜内の高い糖濃度と少ない水分量は高い浸透圧を生み出し、それによって水が上昇する際に、根や幹の柔細胞に含まれていた糖を導管水に溶かしていきます。もし幹の低い位置に、樹皮を貫通して最近2、3年以内に形成された年輪にまで達する穴を開けてチューブを差し込めば、甘い樹液が採取できます。春、細胞内の糖は再び澱粉に変わり、葉が展開した後は蒸散力すなわち大気の吸引力によって水は導管内を上から引っ張られるように上昇していくので、導管内には負圧がかかっており、導管に穴を開けると水は引っ込んでしまう。導管液が甘いのも初春の一時期に限られますので、この樹液が採取できるのは、根圧によって押し上げるように、水が上昇している初春の一時期に限られます。早春、ミズキの低い位置の枝を切断すると水が漏れ出てくるのも同じ理由です。(「絵でわかる樹木の知識」より) 

カテゴリー: 自然観察会

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