日本樹木医会主催の樹木医実践技術講座を受講しました。

 

講習会場

 

日本大学生物資源科学部(神奈川県)で2日間

1日目

1)「物質循環や生物多様性から考える有機物の管理」

   日本大学生物資源科学部 森林資源科学科 上村真由子准教授

2)「未来を担う子どもへの森林環境教育を考える」

   日本大学生物資源科学部 森林資源科学科 杉浦克明専任講師

3)「樹木内部腐朽の非破壊診断発展編」

   東京大学大学院農学生命科学研究科 附属演習林秩父演習林 山田利博教授

2日目

1)「木質昆虫学入門」

日本大学生物資源科学部 森林資源科学科 岩田隆太郎教授

2)「侵入病害の現状と対策 一とくにウメ輪紋ウイルス(PPV)を事例に一」

日本大学生物資源科学部 生命農学科 北宜裕教授

 

1日目の「物質循環や生物多様性から考える有機物の管理」では枯死木の重要性を認識して参考図書

枯死木の中の生物多様性2014/3/24 Stokland,Jogeir N.、 Jonsson,Bengt Gunnar)

を購入してしまいました。以下、内容の抜粋です。

「有機物とは 樹木は、数百年から数千年生きることも珍しくなく比較的長寿ではあるが、いつかは枯 死する。その原因は様々で、他の樹木との競争や環境ストレス、病虫害、火災や風倒とい った撹乱によって生じる。樹木は生きている間にも、枯れた葉や枝を脱落させ、根におい ても常に部分的な枯死が起こっている。樹木の枯死した一部や個体全体は、土壌表面や土 壌中に供給された後しばらくの間、微生物や土壌動物といった生物による作用や環境の作 用によってサイズが細かくなったり、水に溶け出して土壌粒子に吸着するなどして、土壌 有機物となる。有機物とは、落葉、落枝、枯死木、枯死根、土壌有機物を含み、森林生態 系においては、腐食連鎖系へ食物資源を供給したり、様々な生物に住みかを提供してい る。中でも枯死木は、森林における物質循環や生物多様性を維持するために重要な役割を 担っていることが明らかになりつつあり、森林に枯死木を残すという管理方法が取り入れ られている(森,2012)。枯死木とは、直径が2.5cmから10cm以上、長さが1.5m以上の 木質の有機物を指すことが多く、その中には立ち枯れ木、倒伏木、枯死根が含まれるが、 時には切り株や生きている樹木の内部で起こる心材腐朽部分を含むこともある。これまで の森林管理においては、枯死木は病虫害の温床になるとみなされたり、火災時の燃料とな ることや、伐採時の事故のリスクを下げるためなどが理由で、林内からできるだけ除去さ れてきた。しかし近年の研究から、枯死木の除去が腐朽菌や腐朽菌に依存する無脊椎動物 などの枯死木依存性の高い生物の絶滅や個体数の減少を招いたり(Stoklandeta1., 2012)、森林における炭素固定量を減少させることが明らかになっている(Luyssaertet a1.,2007)。これらのことから、持続可能な森林管理における枯死木の取り扱いについて多 くの議論があり、カナダやイギリス、スウェーデンなどでは様々な大きさや腐朽度の枯死 木を残すような管理方法が提案されている(森,2012)。このように生物多様性や物質循環 において重要な役割を担う枯死木について、次章以降で詳しくみていく。」

 

それと1日目の「未来を担う子どもへの森林環境教育を考える」は私も実践している「子供樹木博士」を大学生が実践している内容や弱点など、とても参考になりました。

レジメ抜粋

発達段階を考慮した日程

大変 有意義な2日間でした。

 

 

カテゴリー: 樹木医

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